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本のタイトル『Daughter of Art History. Photographs by Yasumasa Morimura』森村泰昌

2021年11月現在、アーティゾン美術館ではゴッホに扮したセルフポートレートでデビューした森村泰昌展が開催中だ。今回森村は、青木繁を筆頭とする展覧会の登場人物85人に扮しており、大きな鼻を持つ自身の顔を「変装しやすい顔」であると話したという(似ているか、はまた別の話だが)。

以前マルセル・デュシャンに扮した森村は、以下のセリフを創作した。「なおデュシャン氏は、不在であることが存在の証だとの見解で、欠席されております。」これは森村によるデュシャンの代弁である。例えば、日向ぼっこをしながら猫のきもちになってみる事や、全速力で走ってウサイン・ボルトのきもちになってみる事と同じように、デュシャンを装い彼のきもちを想像した上での言葉選びと言えるだろう。森村の試みは文字通り「形から入る」事を体現しており、70歳を超えた今尚、美術史を顔に塗りながら学んでいるのだ。

 

2021/11/18 執筆者 久芳真純


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